弁護士が追突事故を解説

1.追突事故は事故全体の約33.5%「愛知県の交通事故発生状況(令和7年4月末)」
追突事故は、交通事故全体の中でも非常に多く発生している事故類型です。愛知県警察本部の最新統計(「愛知県の交通事故発生状況(令和7年4月末)」)によれば、人身事故総数7,846件のうち、追突事故は2,627件で、全体の約33.5%を占めています。
追突事故はほかの事故と比べると、軽微な事故に思われがちですが、実際には「むち打ち症」(頸椎捻挫、腰椎捻挫)といった症状を生じさせることがあり、治療や後遺障害の認定、損害賠償の交渉において多くの被害者が悩みを抱える現実があります。
また、事故発生後の適切な行動が、その後の解決の成否を左右する場面も少なくありません。被害者が正当な補償を受けるためには、正しい知識と的確な初動対応が不可欠です。
2.追突事故で注意すべきポイント
■ 「むち打ち症」などの症状は数日後に症状が出たり悪化することがある
事故直後は自覚症状がない又は軽くても、時間が経過してから頸部(首)や腰部(腰)の痛み、しびれ、吐き気などが現れることも多いです。症状が現れた場合には、後に因果関係を否定されないように、早めの受診が大切です。
病院では「交通事故による受傷」と必ず伝えましょう。加害者の保険会社に事前に連絡する方がスムーズですが、時間がかかるようであれば、立て替え(病院・クリニックによっては預り金扱い)での受診を検討しましょう。
■ 事故車両を速やかにディーラー等に持ち込みましょう
事故車両を速やかにディーラーや修理工場に持ち込みましょう。
ディーラー等が写真撮影や簡易な修理費の項目出しや概算見積りをしてくれます。
事故写真の保全にもつながる大切な行動です。
■ ドライブレコーダーの記録保管
追突であれば、100:0だから問題ないと思いがちですが、事故の衝撃の程度を伺い知る意味でも、ドライブレコーダーの映像は取り出して保管することをお勧めします。取り出して保管しなければ、データが上書きされ、いずれ消えてしまいます。
■ 積載物、携行物の損害の確認
積載物、携行物が損傷していないかの確認をしましょう。
事故の衝撃で、積載物、携行物が損傷した場合には、物損として請求が可能ですが、物損解決後は請求ができなくなります。
■ 治療終了は自己判断せず、医師の指示に従い通院しましょう
事故初期の急性期の段階では、何か月で治癒するか、後遺障害が残るのかということはわかりません。症状がある場合には、自己判断で治療を中止せずに、医師の指示に従い通院しましょう。数が多いわけではありませんが、後遺症が残る方もいらっしゃいます。治療経過は、後遺障害における重要なファクターとなり、のちに取戻しがつきません。
3.追突事故における過失割合
【基本的な過失割合】
- 追突された側(前方車両)の過失は0%
- 後方車両の過失が100%
追突事故では、100:0となることが多いです。ただし、前方車が不意に急ブレーキをかけたり、合図なしに急停車した等の例外的状況では、前方車にも一部過失が認定される場合があり得ます。
4.追突事故の損害費目例
被害者が請求する主な損害費目例は以下のとおりです。
【物損】
- 車両の修理費
- 代車費用、レッカー費用
- 携行品・積載物の修理代等
【人身損害】
- 治療費(薬局の費用を含む)
- 通院交通費
- 休業損害(家事従事者を含む)
- 通院慰謝料
4.追突事故のよくあるトラブル
- 通院先を変更したい、接骨院を併用したい
- 「むち打ち症」などで保険会社が治療費打ち切りを主張される
- 慰謝料の算定額が裁判基準に満たない金額を提示される(いわゆる「保険会社基準」)
- 後遺障害等級の認定(被害者請求)
5.当事務所のサポート
追突事故は、日常の中で誰もが巻き込まれる可能性がある一方で、保険会社との交渉トラブルなど、被害者の精神的・肉体的負担も大きくなりがちです。当事務所では、交通事故分野に豊富な経験を持つ弁護士が、ご相談から解決まで被害者の方を全力でサポートいたします。
- 事故直後から示談まで一貫した対応、アドバイス
- 保険会社との交渉を一任
- 裁判基準での示談交渉
半田知多総合法律事務所では、すべての会社の弁護士費用特約が利用可能です。お困りの際はお気軽にご相談ください。




