Q&Aで確認!「これって交通事故の損害として請求できる?」

交通事故の被害に遭うと、治療費や車の修理代以外にも様々な出費が発生します。法律相談時に、「こんな費用は請求できるの?」と質問が多い項目について、弁護士が具体的な事例を交えながらQ&A形式で解説します。
Q. 個室に入院しました。個室の差額ベッド代は請求できますか?
A. 医師の指示がある場合や、症状が極めて重篤である場合(意識障害等)等、特別な事情があるケースで認められた裁判例が存在します。一方で、他の患者のいびきが気になるといった理由や、プライバシー確保といった患者側の希望で個室を選んだ場合は、原則として自己負担となります。なお、弁護士の経験上、人身傷害保険やその他の保険において、差額ベッド代の支払が可能な自動車保険がありますので、自分の加入している保険会社に確認してみてもよいと思います。
Q. ケガで歩行が困難になり、通院や日常生活のために「松葉杖」や「車椅子」をレンタルしました。これらのレンタル費用は損害として請求できますか?
A. 症状の程度や医師の指示などにより、必要性が認められれば、松葉杖や車椅子のレンタル費用も損害として請求することが可能です。なお、レンタルした商品を壊してしまい負担を求められたケースもありますので、レンタル用品は注意深く扱いましょう。
Q. 遠方に住む家族が急いで病院へ駆けつけてくれたり、お見舞いに来てくれたりした時の交通費や宿泊費は請求できますか?
A. 被害者が危篤状態であるなど、近親者が駆けつける必要性が認められた事例では、新幹線代や飛行機代の「駆けつけ費用」が認められたケースがあります。ただし、極めて例外的な事例であり、一般的なお見舞い程度では認められないと考えた方が良いです。
Q. 入院中の日用品やタオル、通信費など、細かい出費のレシートを取っていません。請求できないのでしょうか?
A. 入院中の細々とした出費(洗面用具、パジャマのレンタル代、テレビカード、新聞・雑誌代など)は、全体として「入院雑費」として扱われます。定額で「1日につき1500円」(裁判基準の場合)を請求することが多いです。領収書の提示が求められることは少ないですが、念のため、示談完了までは保管しておくことをお勧めします。
Q. 家族が入院や通院に付き添って看病した場合、費用を請求できますか?
A. 医師の指示がある場合や、被害者が幼児等である場合、または高齢や重傷で一人での通院が困難な場合など、付き添いの必要性が客観的に認められれば請求できます。裁判基準では、近親者の入院付添費は1日につき6500円、通院付添費は1日につき3300円が認められるケースが多いです。保険会社からの提案には、載せられていないことが多い項目ですので、注意が必要です。
Q. 事故のせいで、予定していた海外旅行やコンサートに行けなくなりました。キャンセル料は請求できますか?
A. 事故によるケガのために実際に旅行やコンサートをキャンセルせざるを得なくなった場合、そのキャンセル料は損害として認められる事例があります。例えば、事故によるけがで入院の必要が生じ、飛行機に乗れないなど医学的な根拠がある場合です。
Q. 事故のケガで通えなくなってしまった習い事やスポーツクラブの月謝(会費)は損害として認められますか?
A. 事故のケガが原因で通うことができなくなってしまった場合、月額制や年間契約で途中で解約できず無駄になってしまったスポーツクラブの会費等が損害として認められた裁判例があります。弊所が取り扱った事例でも、主に子供の習い事の事例が多いですが、ピアノのレッスン、水泳教室等が認められています。ただし、約款記載の休会制度を利用することにより、費用負担がなかったのにもかかわらず、連絡を怠り、会費が発生した場合(いわゆる「損害拡大防止義務違反」)には認められませんので、速やかに教室に連絡をして確認した方が良いです。
Q. 有給休暇を使って治療のために仕事を休んだ場合、実際に給料は減っていませんが休業損害は請求できないのでしょうか?
A. 請求できます。有給休暇を使って仕事を休んだ場合でも、減収があったものとして、その日数分の休業損害を請求することが認められています。勤務先に「休業損害証明書」を作成してもらいましょう。
