首や腰に違和感を覚えたら、早期に必ず受診をしましょう

 交通事故、特に追突事故の場合に、頸部挫傷(捻挫)、腰部挫傷(捻挫)、むち打ち症と診断される方が多数いらっしゃいます。交通事故では最も多い傷病名であり、法律事務所を訪れる方の半数以上は、むち打ち症です。

 事故当日は、痛くない方も多く、数日経過した後に痛みを覚えて医療機関を受診するケースもあります。
 痛みの感じ方は人それぞれですが、痛み、引っ張られる感覚、重い感覚、ふらつき等様々な感じ方をする人がいます。
 受傷当初は安静期間を設けられることがありますが、1週間から2週間程度で理学療法によるリハビリを開始するケースが多いです。症状に応じて、ロキソニンテープ、セレコキシブ、ロキソニン等の痛み止めが処方されることが多いです。

 むち打ち症が傷が見えるわけではないため、痛みや違和感を覚えても受診を見送る方がいらっしゃいます。受傷から日が経過した場合には、事故との因果関係が否定される場合があります。また、事故当初から痛みを覚える部位が増加した場合にも因果関係が否定されたり、保険会社の不信を買い、早期打ち切りの原因となります。

 事故の後、首や腰に違和感を覚えた場合には、すぐに相手方保険会社に通院する旨を伝えて、受診しましょう。医師の診察では、違和感や痛みを覚えるすべての箇所を医師に伝え、カルテに記録してもらえる状態を形成しましょう。

保険会社からの治療の打ち切り

 むち打ちのご相談では、症状が継続するにもかかわらず、「相手方保険会社から治療の打ち切りを示唆された」「実際に●日をもって打ち切りと伝えられた」とのご相談が多いです。

 誤解を恐れずに記載すれば、被害者が若年であったり、軽い程度の追突事故の場合には3か月程度、症状が軽いとは言えない場合には6か月程度で、保険会社から治療の終了を示唆されることが多いと思います。

 治療費を損害として賠償請求できるのは、治療により改善効果がある場合のみとされており、頸部や腰部の筋肉やその他の組織の損傷が原因となるむち打ちは、一定期間を超えて治療したとしても医学的に治療効果がないとされているため、打ち切りには相応の根拠がある場合もあります。

 治療を続けても治療効果がみられない状態、これを「症状固定」といいます。「症状固定」となった場合で、さらに症状が残る場合には、「後遺障害」として捉えるほかありません。

少数ですが、後遺障害が残ることもあります

 むち打ち症では、数は少数ですが、後遺障害の残るケースがあります。
 むち打ち症における後遺障害等級で最も認定されるケースが多いのは、14級9号「局部に神経症状を残すもの」です。
 「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)は、他覚的な異常所見までは認められないものの、受傷時の状況、症状の経過、医師の診断、治療内容などから、症状の存在が医学的に説明可能であることが必要です。 後遺障害等級認定のためには、適切な時期からの継続的な通院と、症状の一貫した訴えが重要になります。

 治療が途中で中断したり、リハビリの回数が少ない等、治療経過に問題がある場合には、認定が受けられにくくなるとされています。後遺障害は残らないのが一番ではありますが、万が一に備えて、治療を医師の指示のもと適切な頻度で行うことが重要です。